10 Jan 2010

Medicine and Art: Imagining a Future for Life and Love


 森美術館に「医学と芸術医学と芸術:生命と愛の未来を探る ~ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト」展を見に行ってきた。率直に、森美術館の企画展の中で久々に興味深いと感じる内容だった。その名の通りだけど、ダヴィンチの解剖図からダミアンやパトリシア・ピッチニーニの現代的なアート作品まで内容が濃い上に、展示の流れも大変見やすくすごくよかった。

 しかし、ダヴィンチの頃の解剖図を書くための作業は、悲惨だったんだろうね。もちろんそれを描いた作品もあったけど、それ以上に想像してしまうと怖くもなるなと。ただ、方法こそ進化しているものの、根本的な体のメカニズムってあの時代から驚くほどわかってたのね。逆に言うと、300年以上たっても解明されてることって進化してないんだなとも実感。だけどやっぱり、現代芸術として医学領域をテーマとした作品たちが一番良かったかな。ヤン・ファーブル(ファーブル昆虫記のファーブルの曽曾孫とは初めて知った)だったり、ウォーホールの「薬局」、やなぎみわ、エドワルド・カッツの「GFPバニー」とかまぁ比較的好きなアーティストが多いってのももちろんあるけど、わかりやすい作品が多かったかなとも思った。ただ、個人的にはPatricia Piccininiの「Game Boy Advanced」とWalter Schelsの「LIFE BEFORE DEATH」はものすごくクールで刺激的だった!


(Elmira Sang Bastian,2002, 2004, Walter Shells)


(2002, Courtesy: Haunch of Venison, Tolarno Galleries and Roslyn Oxley9 Gallery)

人間の身体は我々にとって、もっとも身近でまたもっとも未知の世界です。人間は太古の時代からその身体のメカニズムを探求し、死を克服するためのさまざまな医療技術を開発してきました。また一方で、みずからの姿を、理想の美を表現する場の一つと位置づけ、美しい身体を描くことを続けてきました。より正確な人間表現のために自ら解剖を行ったレオナルド・ダ・ヴィンチは科学と芸術の統合を体現する業績を残した象徴的なクリエーターと言えます。本展は、「科学(医学)と芸術が出会う場所としての身体」をテーマに、医学・薬学の研究に対し世界最大の助成を行っているウエルカム財団(英国)の協力を得て、そのコレクションから借用する約150点の貴重な医学資料や美術作品に約30 点の現代美術や日本の古美術作品を加えて、医学と芸術、科学と美を総合的なヴィジョンの中で捉え、人間の生と死の意味をもう一度問い直そうというユニークな試みです。また、英国ロイヤルコレクション(エリザベス女王陛下所蔵)のダ・ヴィンチ作解剖図3点も公開します。(http://www.moriart.org/contents/medicine/)

Walter Schels
http://www.walterschels.com/h/?lang=en
http://www.noch-mal-leben.de/h/index.php

Patricia Piccinini
http://www.patriciapiccinini.net/

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